東工大海外旅行研究所
☑この記事でエジプト・カイロ地下鉄の最新の雰囲気が分かります。
はじめに
数は少ないですが、アフリカにも地下鉄があります。それがエジプト・カイロ地下鉄です。
エジプトカイロの過度な交通渋滞を解消すべく生まれたのが、カイロ地下鉄で、2025年現在で3路線が運転中です。現在でも路線を拡大し続けており、日本も円借款の協定を結び、路線拡大の一役を担っています。
しかしカイロ地下鉄は、
・治安が悪い
・撮影すると駅員に怒られる
・スリが多い
など、さんざんな言われようでした。
それらの声は本当なのか、2025年3月にカイロ地下鉄に乗車した筆者がレポートします。
路線図&料金
早速ですが、カイロ地下鉄の路線図を見てみましょう。
一号線、二号線、三号線の3路線が存在しています。
全ての路線が市の中心部を通り、交わる構造になっています。3号線は途中で分岐する構造。
運賃形態
運賃形態は、駅数によって値段が変わっていくという構造のようです。
ZONE1は、9駅までで8ポンド、ZONE2は、16駅までで10ポンドという仕組みです。
この運賃形態は世界的に見ても単純明快でわかりやすく、大変面白いですね。
カイロメトロの切符です。ちょっと味気ない黄色の切符でただの短冊のようです。運賃によって切符の色が変わるそうです。
激安初乗り運賃
さらに面白いことに、初乗り運賃が8ポンドという驚異的な安さ。24円です。
これはエジプトの経済水準を見ても安いわけであって、交通渋滞がひどすぎて、とにかく交通量を減らしたいという意図を感じました。
カイロ大学駅
それではいよいよカイロメトロに乗車してみましょう。
今回は、2号線と3号線が重複する乗換駅、カイロ大学駅から乗車します。
超近代的な高架線が見えてきましたが、これが正真正銘カイロメトロの路線となります。3号線は、生まれたての路線です。
3号線の駅の真下にある地上駅が2号線の路線となります。
そして、写真の手前にある貧弱な非電化路線がエジプト国鉄です。ただし駅はありません。
カイロ大学駅付近は、鉄道の要衝と言えそうです。
さて、カイロ地下鉄に乗車するには、「セキュリティーチェック」を通過する必要があります。この写真の左多くにあるのがチェックマシーンで、手荷物もX線を通さなければなりません。担当の職員がいるので、機械の代金のみならず、人件費がかなりかかりそうですね。
写真撮影は許される
2020年以前のカイロ地下鉄に関するブログ記事を読んでいると、写真撮影をすると、駅員に怒られるとか賄賂を要求されるとか言われるらしいです。
しかしながら、2025年現在では、全くと言っていいほどお咎めなしです。
環境もかなり変化しているのでしょう。
切符を購入
さて、いよいよ切符を購入します。
券売機があり、エジプトポンドのみの流通です。紙幣も一部使えるそうですが、読み込んでもらえないこともあり、観光客にはかなり操作が難しい代物です。
ちなみに、ここでSuicaのようなICカードを購入できるそうです。
クレジットカードは使えないとのこと。
窓口に行ってみます。
この黄色いのが窓口となります。
券売機はあまり人がいなかったのですが、窓口には人が並んでいます。切符購入の主流は、窓口購入のようです。
駅員もせかせかと対応しています。
無事に切符を購入したら自動改札を通過します。
ホームへ
駅のホームに侵入します。駅ホームはかなり清潔感がありエジプトの街並みとは対照的です。
奥に見えるのがカイロ大学です。(小池百合子の大学)
青空の元、案外きれいなホームが太陽を反射していて美しい雰囲気です。車両は韓国製。
車内の雰囲気はどうなのでしょうか。
車内の雰囲気
大変評判が悪い、カイロ地下鉄の車内に潜んでみます。
今回は、タリハール広場の最寄り駅、Sadatを目指します。
カイロ地下鉄の車内の写真はありませんが、治安は普通にいいです。一般的な都市の地下鉄と何ら変化はありません。
ただ、圧倒的に観光客が少ない、朝夕は混雑する、という事情より観光客が狙われやすいのは事実です。
女性専用車
カイロ地下鉄には女性専用車が終日存在しています。改札の窓口にも女性専用のものがあるそうで、男性は気をつけなければなりません。
Sadat駅
カイロ地下鉄は、地下鉄と言っておきながら、地下の区間は少なく、市内の中心部のごく一部に限られます。他は高架橋が占めます。
先ほどのカイロ大学駅は地上駅でした。
Sadat駅はこのような地下駅です。
壁面やホームは清掃がかなり行き届いているようで、物騒な地上とは明らかに雰囲気が異なります。
エスカレーターがしっかりと整備されているようです。妙に整備が行き届いています。
日本の駅に比べ、かなり薄暗いですが、ごみやたばこの吸い殻などが落ちておらず、明らかに市街に比べてきれいです。
タリハール広場
タリハール広場です。Sadat駅の出口付近に存在し、「アラブの春」の革命の舞台になったカイロの象徴的存在のスポットです。
カイロ地下鉄は、ある程度観光地にアクセスできるのですよ。
まとめ
本日は、エジプト、カイロ地下鉄の様子をお伝えしました。案外ときれいで清掃が行き届いているようでした。
ただ、ピラミッドやモハメッド・アリ・モスク、ハン・ハリーリー市場など、有名観光地へのアクセスは難しいのが現状です。
路線が延長開業すればもっと使い勝手がよくなるはずです。今後の行方に注目です。