東工大EXPRESS

【急行】東工大発世界の彼方行。

世界の鉄道①【スイス】ゴールデンパスライン乗車記 インターラーケンからルツェルンへ

 

世界の鉄道<東工大EXPRESS>

☑今回のルート インターラーケン→ルツェルン

☑スイス・ゴールデンパスライン

ゴールデンパスライン

スイス中部には、氷河によって形成された氷河湖がいくつも存在し、その湖の端を縫うようにして線路が続いています。

また、アルプスのすそ野を走るように列車が走るため、峠越えも存在するなど、展開が目まぐるしい鉄道路線です。

ゴールデンパスラインの東側の、「インターラーケン→ルツェルン」の区間の車窓や途中下車の様子をお届けします。

旅の始まりはインターラーケン

朝八時、インターラーケン東駅から出発します。

インターラーケンは、トゥーン湖とブリエンツ湖の湖の間にある街で、「湖の間」という意味です。

さて、インターラーケンからルツェルンに向かう特急、「パノラマエクスプレス」は8:30くらいの時間から毎時1本走っています。

 

インターラーケンの記事はこちら

 

tokyotech-express.com

 

途中下車も可

「標準運賃」の切符を買えばその区間は途中下車ができる制度があります。駅の窓口で定価で切符を買えば、列車指定をする必要もなく、気ままに途中下車ができるのです。

定価は34₣、およそ5800円です。

今回はこの制度を使って途中下車をしながら、ルツェルンを目指します。

ブリエンツ湖

さて、列車が発車してすぐ、車窓右手にはブリエンツ湖が広がります。

さて、この「パノラマエクスプレス」、窓が列車の上部まであるため、展望が上部まで楽しめるのです。

ブリエンツ駅

途中のブリエンツ駅で途中下車。

スイス国鉄は運賃が尋常でないほど高い分、列車はきれいだし、有人駅が多めです。ブリエンツ駅は有人駅。ブリエンツ湖に面している湖畔の駅です。

スイスフランとユーロの両替や、キオスクもつくなど、大して大きくない駅でもサービスが充実しています。

駅出てすぐ、ベンチが家の周りにあり1時間など一瞬で経過してしまうのです。

スイスの湖は色が濃く、崖がすぐ近くにまで迫っている、という点で日本のそれとは大きく違うのです。

色が濃く、景色が深く掘られているパノラマをじっくりと楽しめるのが、パノラマエクスプレスの素晴らしい点。

スイッチバックの駅・マイリンゲン

ブリエンツ駅で途中下車したのち、10分ほどでマイリンゲン駅に到着します。マイリンゲン駅は、スイッチバックを行い、峠越えに挑む駅となっております。

アルプスのロッジ風の駅舎です。

マイリンゲンは崖の下に位置する地形となっており、滝がいくつも存在しております。

「シャーロックホームズ終焉の地」とも言われ、滝を見に行くためのケーブルカーやシャーロックホームズ博物館?など、いくつかの観光地もそろっています。

マイリンゲンは、

また、マイリンゲン駅から3駅ほどの支線もあり、アーレ渓谷たる美しい渓流・断崖をもアクセスできます。

峠越え

そんなマイリンゲンは行き止まりの町。ここからは峠越えです。パノラマエクスプレス最大の難所、峠越えに差し掛かりました。

だんだんと高度を増していきます。線形がかなり悪く、鈍足で運行し始めます。この区間は、一時間に1本のみの運転で、パノラマエクスプレスも各駅停車での運行です。

季節は3月ですが、高所だけは雪が残っており、姨捨の峠越えを彷彿とさせるようです。

列車の最後尾に乗ると、列車全体を後方から俯瞰でき旅情をそそられます。

峠越えが終わると、車窓左側がスイスらしき、美しき車窓が見え始めます。

スイスらしい景色というのは、崖や丘にへばりつくように住居や牧場が存在し、立体感のある、正真正銘のパノラマを味わえるという点に重きがあります。

ザクセルン駅 Sachseln

さて、峠越えが終わると、ザクセルンという町に到着します。ザクセルンまでくれば、Sバーンが30分おきに来るので列車の時刻を気にする必要はありません。

さて、このザクセルンこそが、スイスらしい景色を味わうのにもってこいの駅となるのです。

近景に湖、遠景に崖と丘と牧場と、さらにはアルプスのパノラマ、という典型的なスイスを味わえるのです。

また、ザクセルン駅付近には、ベンチや公園が整備されているので、1時間を潰すのに容易すぎるのです。

とくに湖の色の濃さは日本では味わえない絶景でしょう。

日本で例えるのならば、猪苗代湖とか中禅寺湖になりそうですが、「崖にへばりつく住居や牧場」は、スイスにしかありません。

終点ルツェルンへ

さて、最後にルツェルンへ向かいます。

スイス国鉄の列車は特急料金不要、さらには座席指定不要というサービスなので、オフシーズンの旅行には気ままに旅ができる国です。

フランスやイタリアでは特急料金がかかるうえに全席指定なので、気ままな旅という観点では不適当ですが、スイスはそれを叶えてくれます。

日本のローカル線と言えばキハ110や今は少なき45の単行で座席はボロボロ、無人駅だらけ、という印象ですが、スイスはその正反対を進みます。

ルツェルン近郊区間にはSバーンの2つの系統が30分おきに走っております。近郊の駅は、明らかに「高級別荘街」という感じで、湖の展望を独占しています。湖のほとりの公園を探したのですが、見つかるはずもありません。

さて、列車は終着、ルツェルンへ向かいます。

カーニバル中のルツェルン

終着、ルツェルンはカーニバル中で、コスプレをするという風習から渋谷ハロウィン、治安がいいバージョンのような状況を呈しています。

そんなルツェルン駅は頭端駅の荘厳な駅。旅の終着駅です。

ルツェルンは水の都というにふさわしい都市。水の都と言えば、コペンハーゲン、ベネチア、アムステルダムと言われますが、ルツェルンはだけは氷河湖のほとり。

背後があるプルの水の都ということで、立体感のある風景を味わえるのです。

まとめ

さて、ゴールデンパスラインの乗車体験記でした。登山鉄道とは違って、そこそこ安い金額で途中下車を楽しめ、都市間の移動ができるので超お得なルートと言えそうです。