世界の鉄道<東工大EXPRESS>
☑今回の区間 マカオLRT 蓮花→横琴口岸
マカオLRTとは
マカオLRT、それはマカオにある唯一の鉄道であり、マカオ版「ゆりかもめ」とも言われます。
カジノのある「コタイ」「タイパ」地区を中心に運行しており、カジノ外のギラギラした夜景を味わうのに最適な路線となっています。
そんなマカオLRTですが、2024年12月、マカオの隣町、中華人民共和国の横琴に延伸開業をしました。
つまり、マカオLRTは「国際列車」となったわけです。
世界最短の国際列車
さらに、「世界最短の国際列車」が実現したのです。
いままでは、シンガポールとマレーシアのジョホール海峡を1駅だけ結んでいたマレー国鉄の列車が世界最短の国際列車として有名でしたが、マカオLRTは記録を塗り替えたわけです。
(マカオ特別行政区と中華人民共和国を同一の国と見ることもできるため、正確な話ではありませんが…)
地図で見ると、上の写真の赤色の区間となります。
今回は世界最短の国際列車?に実際に乗車してみた話をお届けします。
始発駅 蓮花
始発駅は「蓮花」です。カジノ街の南の端に位置するような駅です。
複合施設に直結しているため、利便性はかなり高いはずなのですが、かなり閑散としている印象です。マカオLRTが混んでいる、そういった印象を抱くことは一切ありません。
マカオLRTは全線複線高架なため、駅自体は白い要塞のような雰囲気を醸し出しますが、蓮花駅は分岐駅でもあるため、非常に巨大な構造となっています。
改札を抜けると、非常に長い連絡通路を渡っていきます。
LRT横琴線は、LRTタイパ本線との相互直通運転はしておらず、単独での単線折り返し運転のようです。
つまり、「最短の国際列車」の系統、だといえそうです。
ホームへ
さて開業してまだ半年、横琴線のホームに到着しました。一面一線の簡素なつくりですが、豪華な屋根や清潔感のあるホームは、他の国ではあまり見られません。
どうやら車両はタイパ本線と同様のものです。三菱重工の設計です。
全線がトンネル
さて、そんな横琴線ですが、全線が海底トンネル内を走行するため、車窓は楽しめません。
しかしながら、狭いトンネルを高速走行する様子は非常に見ごたえがあります。
マカオLRTはゆりかもめに例えられることが多いのですが、レインボーブリッジのごとく、急カーブが連続しています。
マカオLRTは無人運転
さて、こちらも「ゆりかもめ」同様、マカオLRTは無人運転をしております。「ゆりかもめ」の全面展望の席は争奪戦となっておりますが、マカオLRTは先頭部が巨大なガラス一面になっているため、争奪戦になることもなく、全面展望を楽しめる仕組みになっています。
横琴口岸駅に到着
さて、中華人民共和国、横琴駅に到着しました。無事に国境を越えたわけですが、入国審査をしなければなりません。
駅は地下ですが、入国審査を行う「横琴口岸」の建物の地下に位置しており、地上に移動して入国審査を受けることとなります。
この地域は、マカオ、香港、中華人民共和国の国境が入り乱れる地域で、至る所に「口岸」と呼ばれる国境施設があり、比較してみるのもおもしろいのかもしれません。
入国審査がめんどくさい
さて、中華人民共和国に入国するわけですが、外国人はホテルの予約証明書や指紋認証など、非常にやることが多く大変困惑してしまいます。
マカオ⇔中国は旅客の流動が非常に激しいので、入国審査が簡素化されているという淡い期待を裏切り、さまざまなことを問い詰められます。
現地民はパスポートや独自のカードを用いてスムーズに行き来をしておりますが、異邦人には少々難しい国境での戦いです。
特にイミグレの審査官に睨まれながらホテルの予約確認書を提出しなければならない場面など、割と壮絶な経験ができます。
無事に入国審査を終えると、駅の外に出られる、というわけです。
マカオの出国審査はない
さて、ここで気になるのが、マカオの出国審査です。中国の入国審査のみが行われていたので、どういった仕組みになっているのか理解に及びませんでした。
ともかく、晴れて珠海の土を踏めるわけです。
中国「珠海」
さて、珠海に入ると実感するのが、物価の安さです。
飲食店が近隣に多くありますが、マカオの2~3割ほど安く食事がとれます。マカオパタカや香港ドルを人民元に両替できる両替店も多くあるため、心配不要。
またセブンイレブンなど東南アジアでは定番のコンビニエンスストアも多くあり、貧乏旅行にも最適な場所と言えそうです。
グーグルマップが機能しない
さて、中国あるあるですが、グーグル系のサービスが使えません。WiFi-Boxなどのサービスを使えばすり抜けられますが、グーグルマップが10年程度前から更新されていないのか、実態と乖離した地図となっています。
グーグルマップだと、海上に道路が存在していたり、ホテルの建物そのものがないことがあります。
「百度地図」や「支払宝(アリペイ)」など中国用のアプリの武装が必要です。
ホテルが一泊3000円
さて、珠海に来た最大の目的は「ホテルが安い」から。マカオ航空のトランジットで14時間ほどあったため、珠海の安いホテルを求めに中国に侵入したわけです。
一泊3000円で30階のタワマンホテルに宿泊できます。
対岸にはマカオの夜景。マカオの夜景を遠景から楽しめるのも珠海の良いところです。
まとめ
中国の珠海、マカオとは違った景色を味わえる場所です。マカオLRTで格安に入国できるので、マカオを訪れた際にはぜひ中国もセットで足を運んでみてほしいものです。