世界の鉄道<東工大EXPRESS>
☑今回の区間 クアラルンプール駅→プトラジャヤ中央駅
プトラジャヤ線
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今回乗車するのは、マレーシアのMRT、「プトラジャヤ線」です。上の地図(マレーシア公式観光局より拝借)の黄色の路線です。全線開業したのが、2023年という超近代的路線となっています。
今回は、終着「Putrajaya Sentral」「プトラジャヤ中央」を目指します。
空港アクセスが改善
さらなるポイントとして、クアラルンプール国際空港へのアクセスが改善されたという点です。
クアラルンプール空港から中央駅まではおよそ1900円程度(55リンギット)するという難点があります。
今回、クアラルンプール空港→プトラジャヤ→プトラジャヤ線→中心部というルートが誕生し、格安の移動が実現します。
特にプトラジャヤ線はKLCCなど観光施設も経由するため、空港からプトラジャヤ経由での移動もかなり意義のあるルートとなります。
プトラジャヤとは
さて、今回の終点、プトラジャヤはマレーシアの首都機能を代替する計画都市の意味合いが強く、街並みがきれいに整備されている点や治安が大変良いという特徴があります。
また、この、ピンクモスクもあるので有名な都市でもあります。
プトラジャヤ線に乗車
まずは、市内中心部の「TUN RAZAK EXCHANGE」から乗車します。この駅は複数の路線が乗り入れる駅ですが、路線同士の対面乗り換えが可能なつくりとなっています。
東南アジアや東アジアの地下鉄は対面乗り換えがかなり充実している特徴があり、計画的に地下鉄を建設する効果が表れています。
プトラジャヤ線はマレーシアでもかなり新しい地下鉄であり、かなりの深さを都心部では走ります。
地下鉄は日中では9~11分間隔の運転ですが、かなり閑散としている印象です。
車内は網棚が無かったり窓がかなり大きかったりと、すっきりと洗練された作りとなっています。
地上部を走行
プトラジャヤ線は、中心部を抜けるとすぐに高架を高速走行します。
クアラルンプールは、高層ビルの数では世界トップ10に入るほどの巨大都市となっています。人口の多さながら、郊外での計画的な都市開発が功を奏しているようです。
そんなクアラルンプールの郊外では、湿地帯や緑地の向かい側にタワーマンションが10棟ほど並ぶという独特な景色を楽しめます。
Sungai besi駅
途中のSungai besi駅です。交通の節合拠点となっている地点です。
プトラジャヤ線の駅の豪華さが際立っておりますが、他路線との接続も郊外部では考えられているようで、好感が持てます。
途中の車両基地です。車両基地も高架ですのでかなりのコストがかかっていそうです。
背後にあるマンションがマレーシアらしさを出しています。
田園地帯を突き抜ける
さらに郊外に進むと、田園地帯が顔を出します。
タワマンの数が少なくなり、急に戸建ての住宅が増えてきます。草木が東南アジアらしくみていてすっきりとする風景ですが、それに似合わないかのような高速運行をしています。
プトラジャヤ・サイバージャヤ
そんな田園地帯を走るうちに、遠くに高層ビル群が見えてきます。プトラジャヤの出現となります。
プトラジャヤには、もうひとつ、サイバージャヤ、という都市もあり、その名の通り、スマートシティー構想に基づき、科学技術と都市を融合している、そんな意味合いです。
マレーシアの湿地帯を大きく切り開き開発するという、ポテンシャルの高さをうかがい知ることができます。
プトラジャヤ中央駅
終着、プトラジャヤ中央駅のホームです。
1面2線、特に変哲もない駅ですが、開業間もないこともあってか新鮮な気分となります。マレーシアの駅では珍しくトイレもきれいです。
筆者はタクシーを捕まえてプトラモスクや首相官邸を訪れるつもりです。
空港アクセス鉄道の乗り換え
ここの駅から、空港アクセス鉄道に乗り換えられます。ただし30分間隔なのは注意すべき点でしょう。
また、「チケットカウンター」という日本語表記がされているのは大変面白いと言えます。マレーシアの鉄道関連施設には日本の支援実績があることから、日本語の表記が至る所に見られます。
駅構内にはカフェや弁当屋などが入っておりますが、やはり首都機能移転用の都市なためか、人口は少なく、あまり賑わいは感じられません。
タクシーでピンクモスクへ
さて、ここからGrabを利用しピンクモスクへ向かいます。
およそ200円で移動できます。
タクシーからピンクモスクが見えてきます。
ピンクモスクも都市開発に合わせて建てられたモスクであり、ある程度観光用でもあります。いよいよ到着です。
ここがプトラジャヤの中心部。写真奥に首相官邸があります。
ASEANの宣伝もしっかりとされており、国の広報的立ち位置です。
東南アジアとは考えられないほどゴミが道路に落ちておらず、また、車のクラクションもほとんど聞こえず、近未来感が伝わってきます。
プトラジャヤ、空港についてすぐか、もしくは帰国する間際に訪れるにはちょうどいい、穏やかで素晴らしい都市でした。