東工大海外旅行研究所
☑名鉄完乗の行程が明らかに。

2日間で完乗は可能か?
名鉄のフリーパスは2日用と3日用があり、それぞれ3200円、4000円という割と安い値段で販売されています。私鉄の全線乗車を目指す鉄道ファンにとって名鉄や近鉄、東武は難易度が高い大手私鉄として有名です。
2023年8月、筆者は名鉄2日用フリーパスを片手に全線乗車を果たしてきました。
行程は以下の通り。
1日目午前 赤 1日目午後 橙 2日目午前 青 2日目午後 水色

※瀬戸線、名古屋本線の国府~豊橋、一宮~須ヶ口、小牧線は既乗なので除外
※点線はJRで移動(蒲郡→豊橋→豊川)(刈谷→大府→武豊)
旅のルール
さて、2日間で全線乗車することは可能であるということですが、旅のルールとして以下のものを掲げました。
①観光名所に立ち寄る
名鉄沿線には、豊川稲荷・常滑の陶器街・野間灯台・津島神社など知名度は少ないものの歴史ある観光地が豊富であり、極力立ち寄ることにしました。
②夜間は乗車しない
夜は車窓が見えないため乗車しない、という割と一般的なルールです。
③寝ない
実践している人は少ないように見えますが、寝ないように努力しました。折り返しで二回目に乗車する区間は対象外、としました。
行程
さて、具体的な行程ですが、まずは写真を参照していただき、

名古屋→(名古屋本線)→新安城→(西尾線)→吉良吉田→(蒲郡線)→蒲郡→(JR)→豊橋→(JR)→豊川→(豊川線)→国府→(名古屋本線)→知立→(三河線)→碧南→(三河線)→刈谷
刈谷→(JR)→大府→(JR)→武豊→(河和線)→河和→(河和線)→富貴→(知多新線)→内海→(知多新線)→富貴→(河和線)→神宮前→(名古屋本線)→知立→(三河線)→猿投→(三河線)→梅坪→(豊田線)→伏見
一日目は名古屋以南を攻め、常滑線と築港線を温存させておくという案です。後々説明しますが、二日目は名古屋以北の支線群を攻め、そのまま南下してセントレアまで行って折り返す、という経路です。
経路全体をご覧になればお分かりの通り、なかなか同じ区間を重複して乗車しています。仕方がないと言えばそうなのかもしれませんが、少々不格好な気がします。道中、JRを挟むなどして極力折り返し乗車は避けた形にしています。
それでは、一日目午前の行程をお届けしましょう。
高速バス→名古屋→蒲郡
名古屋へは高速バスで。栄に到着します。コロナ禍では3000円代で東京→名古屋に行けた時代でしたがコロナが明けると需要が多い東京→名古屋の区間は、3列独立シートで6000円もします。
3列独立にするだけで値段が大きく跳ね上がる夜行バス業界ですが、昔のA寝台、航空でいうとプレミアムエコノミーのような感覚です。
①名古屋5:49 急行河和行→金山

まずは、新安城を目指しますが河和行にとりあえず乗車。途中の金山駅6:01で下車します。
②金山6:12発特急豊橋行→新安城
いよいよ本題の特急豊橋行きに乗車します。
金山総合駅というなかなかかっこよい駅名標だけ眺めておきたく改札を出ます。

いいフォントをしている「金山総合」。「総合」の英訳が書かれていないのが残念です。Kanayama Integrated Stationでしょうか。
特急に乗車しひた走ります。
道中の駅、鳴海、左京山、有松、など東海道五十三次クラスの伝統駅までをぶっ飛ばして通過。このあたりの駅は一生訪れることができない気もします。前後、豊明を容赦なく通過し、知立に停車。
高架化工事の真っただ中であり、構内図がとんでもないことになっているようです。
そのまま新安城(6:35到着)へ。
③新安城発6:45普通吉良吉田行→吉良吉田
新安城の駅舎を眺めます。サークルのそこそこ仲の良かった人のサロンが駅前にあるとか言ってましたが忘れました。

名鉄らしい、変哲の無い橋上駅舎ですが、「安城市の中心」というわけでもなさそうなくらい、駅前は閑散としています。
新名古屋→名鉄名古屋の流れを汲まずに「名鉄安城」という駅名にもなっていないのも不思議。
西尾線に揺られて20分ほど、中心駅、西尾で列車交換をします。新安城⇔西尾は15分間隔、西尾⇔吉良吉田は30分間隔であり当駅から先は需要が激減するようです。

西尾駅周辺は高架でした。西尾市が早くから高架化に取り組んだようです。

そのまま平たんな道をひたすら走って、終着吉良吉田。7:23。
④吉良吉田発7:28普通蒲郡行→蒲郡
ここからが名鉄屈指の赤字路線、蒲郡線に乗り込みます。名鉄は30分間隔を最低限の運転本数だとして維持しています。

吉良吉田は終着駅でありある程度知名度もある駅名だと思われますが、駅の周囲は驚くほど何もなく、コンビニすらありません。

蒲郡行きは2番線からの発車です。

謎に乗り換え改札が用意されています。ここから先はICカードが使えないためです。大手私鉄のICカードが使えない区間は、基本的に名鉄にしかありません。
廃線跡

吉良吉田から蒲郡に向かう反対方向には実は鉄道がありました。名鉄三河線の廃線区間です。今は盲腸駅となっている碧南から、ここ、吉良吉田までを結んでいたのです。
名鉄ネットワークの環状部分一部が切れたような格好になり大変もったいないでしょう。
東洋経済に掲載されています。
名鉄三河線「海線」廃止区間、車社会でどう変貌? 代替バスの運転経路とは異なる人の流れも | ローカル線・公共交通 | 東洋経済オンライン
そんな寂しさが伝わってくる駅、吉良吉田を離れます。

一部海を眺めながら進みます。荒涼としている、この写真だけを切り取れば北海道のオホーツク海的な風景にもなりそうですが、人口はそこそこいるようです。
海が見えそうで見えない、そんな名鉄蒲郡線。

こどもの国駅を通り過ぎて、しばらくすると終点、蒲郡。7:56着。一時間の道のりです。
蒲郡→豊川稲荷

謎に高架にしてお金をかけていますがホームは非常に閑散としております。隣にある二面四線の巨大なJRには到底及びません。

ICカードが使えないため有人改札です。地方私鉄の主要駅、といった色を出しています。

名鉄名古屋まで100分、JRなら40分という親切な表示つき。時間で大敗、運賃でも大敗しています。JRなら1000円、名鉄ならば1600円程度です。
■観光1 竹島
さて、ルールに「観光をする」という条件があり早速観光をします。蒲郡と言えば竹島です。例えるならば江の島の下位互換です。

「竹島」。駅から徒歩15分という絶妙な距離ですが、三河湾を静かに眺められるスポットです。7:56着、8:50出発というタイトなスケジュールであります。
奥に鳥居があり、ロケーションは最高。

⑤蒲郡発8:50新快速豊橋行→豊橋
JRに浮気をして豊橋へ。こちらは新快速で、三河三谷、三河塩津、愛知御津、西小坂井などを容赦なく通過。このあたりの駅も一生使わない気がしてなりません。

豊橋9:02着。
⑥豊橋発9:08普通本長篠行→豊川
次は飯田線で豊川へ。豊橋→豊川は2023年時点では15分間隔で運転されておりました。現在は20~30分間隔という閑散ぶり。

名鉄の隣のホームから仲良く発車です。

そしてかな~り近代的な豊川駅に到着です。
のちに訪れる豊川稲荷駅と比較にならないほど巨大な橋上駅舎で驚きを隠せません。
■観光2 豊川稲荷
さて、豊川稲荷へ向かいます。
駅前の大通りを歩くだけでよく、アーケードもあり快適な散歩。


狐と商店街を散策。まだ朝の9時半であり閑散としています。一人旅には心地よい静けさです。
名鉄を乗り回すという酔狂なこと(鉄道ファンからしたら当たり前な行動だとは思いますが…)、どうしても変なことをしていると自覚してしまい嫌悪する一人旅ですが適度に観光地を訪れて適度に退散するという、これくらいの距離感が私は大好きです。
豊川稲荷→碧南
さて、ここからは一気に碧南まで逆戻りします。
⑦豊川稲荷10:08発普通国府行→国府
豊川線は2022年か23年のダイヤ改正で列車の本数が激減しており、なんと30分間隔の運転です。私の記憶では15分間隔で列車が発着し、急行津島行きや急行犬山行きが出ていたイメージなのですが…

それにしても非常に簡素なつくりの駅舎です。

国府10:19着。
⑧国府発10:23特急岐阜行→知立
大動脈、名古屋本線にカムバックして知立へ北上。国府駅はただの乗換駅という位置づけで駅前は何もありません。
この特急、かなり混んでいて座れませんでした。昼前の名古屋に着くからでしょうか。御油、赤坂、本宿など小駅を駅名標すら見えない速度で飛ばします。
車窓からは岡崎城がちょこっとだけ見えます。

東岡崎を過ぎ、あっという間に知立。高架化工事をしています。10:46着。一分乗り換え。

⑨知立発10:47普通碧南行→碧南
一分乗り換えで碧南へ。とにかく碧南と言えば三河湾の湾岸地域で化学工場が林立しているわけですが、わが三河線は全く縁がないようで田んぼの中を走るのみです。
途中、碧南中央というヨーロッパにありそうな中央駅を過ぎ、一駅で終点碧南。11:22着。

ちなみにこちらは15分間隔の運転が維持されています。
碧南駅は終着駅で碧南市の中心ということもあってかかなり駅前は賑わっていると思い込んでいたのですが、駅前はただの住宅街。碧南中央駅の方もこれといった施設もなく、碧南市のことが心配になります。
改札もこれだけ。

⑩碧南発11:27普通知立行→刈谷
前半最後の列車です。普通列車で折り返します。碧南はわずか5分の滞在。

非常に美しい夏の空。

空って素敵、な感じの高浜港駅。
刈谷には11:51着。前半はここまで。後半は知多半島に繰り出します。